ドキュメンタリー『アマンドラ!希望の歌』 

アパルトヘイトが廃止されたのは1991年、実に最近だなとびっくりする。

荒削りだけど興味深かった。絞首台に登るまで歌っていたという伝説的な歌手ヴィシレ・ミニ(1920-1964)の逸話や、彼の子どもたち、ミュージシャン、活動家といった人々の話(と歌!)、古い映像、楽譜にも記録にも残されないであろう歌で構成されていた。
歌により成された革命。南アフリカの黒人は赤ちゃんが産まれても人が死んでも歌うらしい。
マンデラが解放されたときの騒ぎはワイも覚えてるよ。各国のTVカメラが捉えてた。歌い、踊り、走り、笑う人々を。

お若い人々が観てくれたらなと思います。世界には希望が必要だもん。はい、南アはその後長い混乱に陥りました、だから何さ?人間は何度踏まれても立ち上がる。自分が折れても未来に別の誰かが立ち上がる。希望の芽は折れない。希望とは愚かなホモサピエンスに内在する美点のひとつ。

→アマンドラ!希望の歌 (2002)
www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/cin

監督はリー・ハーシュという人(白人)。インタビューで
「南アの人々は3万人集まって四部合唱をする」
「ゴスペルよりパワフル」
「アフリカの他地域では音楽の中心はドラムのことが多いが、南アは歌」
と語っていた。
インタビューはDVD特典。TSUTAYAディスカスでレンタルできるよ。

アマンドラ、あの行進は 

殺された10代の子たちを埋葬する場面は、涙なくして見られない。若い女性たちが叫んでいる、悲痛な言葉がそのまま詩になっている。

あと、行進の謎がとけた。
反アパルトヘイト運動の映像には、よく歌い踊りながら走ってくる大群衆が映るよね。
子どもや女性がたくさん混じってみんな笑顔の場合は、ワイもつい混ざりたくなる。
でも単調な歌で、みんな無表情または怒ってる顔の場合、秒で逃げたい。

今日原型がわかった。
あれはトイトイ(Toyi-Toyi)といって、ジンバブエに訓練に行った人たちが教わったもの。スローガンを叫び足を踏み鳴らす行進。
「我々の唯一の武器がトイトイ。銃も催涙ガスも最新兵器もなかったからね」(Vincent Vena)
精神を鍛える道具でもあり、敵の恐怖心を煽る武器でもあると。(Andile Magengefe)
そら怖いわ。

実際、映画に登場した白人の元機動隊員も言ってた。「多くの機動隊員は18、19の若者。それが10万人もの叫び声や歌声、武器を振りかざす群衆と直面したんだ。若者に限らず年配者だって恐怖に体がこわばってたと断言できるよ」
(※武器って投石用の石のことかと思ったら、後で銃を手にトイトイする女性の映像が出てきた)

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