猪谷千香さんによる記事
→能登半島地震「被災地に本を送らないで」 日本図書館協会が異例の呼びかけ…本が「ゴミ」になった大震災の教訓から - 弁護士ドットコム
“現在、日本図書館協会は、石川・富山・福井・新潟の県立図書館と連絡を取り合い、現地の被災状況の把握に努めているという。また、公式ホームページで次のように呼びかけている。
「被災地から要請が出てくるまでは、本を送らないようにしましょう。被災地から要請が出た際には、日本図書館協会も広報の協力をしてまいります」
また、被災地では災害対応や復旧作業に奮闘していることから、直接問い合わせはしないよう求め、「saveMLAK」の被災情報などを確認することを推奨している。
では今後、どのようなかたちの支援が望まれるのだろうか。日本図書館協会・図書館災害対策委員会の末次健太郎委員長はこう説明する。
「これから被災地の図書館では、設備を復旧した後に本を補充していく作業になると思います。ですので、今後は本を直接送るのではなくお金で支援して、現地の方々が必要な本を選書し、そろえることが必要になっていくだろうと思っています」”
“東日本大震災時に有志で創設された博物館・美術館、図書館などの被災・救援情報サイト「saveMLAK」は2012年7月、「本を送りません宣言」を公開した。
宣言では、次のような理由から、被災地や被災者に本を送らないと説明している。
1、本を送るという行為は、本を贈る(プレゼントする)という行為です。私たちは通常、少なくとも「古本」を大切な誰かに贈りません。ですから、私たちは被災地や被災者に「古本」は贈りません。
2、本は重くかさばり、場所をとります。実は本はたいへん扱いにくいものであり、被災地の限られた空間や人手を奪います。ですから、私たちはこの事実を常に意識し、被災地に古本を送りません。また、新品を贈ることにも慎重にふるまいます。
3、被災地には「本」で営みを立てている方々もいます。善意に基づいて大量に送られる本は、実は被災地にある書店等の「知」の経済環境を破壊します。ですから、私たちは、新品を含め、被災地や被災者に「本」を送りません。”