何年ぶりの海外だったのか、パスポートが失効して取り直したので10年以上行っていなかったらしい。前のパスポートを見ればわかるのか、と今思ったがミニマムな準備で精一杯だった。数年前、同じくAPCでシドニーに行くつもりでホテルも予約したがコロナでカンファレンス自体がキャンセルになった。今回ようやく行けた。世界、今回は主にアジアに向けて日本人として発表するというのは普段意識していないことをたくさん意識させられて大変とかいう以前にとにかく自分の実感と行動に基づく、という以外の何かは思いつかなかった。日本での発表もそういう態度でやるべきだと自分に対して思うがどこか気楽になってしまう。今回、思いがけず会長はじめ多くの分析家や候補生に褒めていただいたが評価というのはつくづくタイミングと用語の選択によるものと思った。ただ考えを正直に言葉にしてそれを受け入れてもらえたことにとても安心したので引き続き勇気を持って発信していこうと思った。日本では勇気とは別の力が必要だが日本人として発言するのは勇気と勉強がいる。精神分析家になる以上、こういうのはやり続ける必要がある。日本に精神分析が残っていくかどうか、カリスマが去っていくであろうこの10年が勝負だろう。真剣に自分の心と対峙することを必要とする人たちと協力していいきたい。