おそらく、フェミニズムとは、「「共通性」と「差異」のあいだの終わりのない往還」に身を置くことで、「現在」に収束されない「怒り」の声を拾い上げようとする不断の実践なのではないだろうか。その「怒り」──「正義への訴えかけ」──は「現在」に収束されないために、語られなかった/語りえない「過去」として残存しつづける。
『〈トラブル〉としてのフェミニズム-「とり乱させない抑圧」に抗して-』藤高和輝 著(2022、青土社)より
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3647