馬場のぼる展を観てきた。作者のいくつかの絵本がリトグラフという方法で作られててその解説と実物を拝見したけど、この過程で色を指定したり完成した絵を想像できるのすごいなあ…となってた。絵本や漫画から絵画まであって、アクリル絵画の柔らかい色合いがとても素敵だった。水彩の滲みや透明さもよかった。スケッチもいくつか展示されてたけどそれが当然なのだろうけどめちゃくちゃ上手くて(猫のスケッチの少ない線で的確に形作られてるものだったり、軒下のスケッチの緻密さとか)だからこそ漫画や絵本での少ない線で魅力的で洗練された描く描けるんだなあと思った。
なんて言いながら作品自体は11ぴきのねこの一と二を読んだかな位と絵の本をぱらぱら見た程だったので、きちんと絵本も見たり読んだり出来て楽しかった。11ぴきのねこは二作目が好きかな。あほうどりがとてもかわいい。
アクリル絵でとても素敵だーってなったやつがあってそれを特にまじまじ見てしまった。タイトルもおかしくてかわいかったな…ねこと植物のやつ…(もう忘れてるけど)
『無名』昨日観てきた。スパイてあそこまでして自分の立場を隠さないとやれないのかと思った(感想…?)時系列を敢えて変えてるのが上手くいっているかはよく分からなかったけど個人的には好きでした。ただ最後の最後の本編場面はそこまでいれなくても…とも思う。空白を楽しむ作品ではないんだなと思った。
トニー・レオンの眉を下げながら困ったように笑う仕草や、愛しい人を見つめる表情にやっぱりどうしても素敵だなあと感じた。衣装替えも沢山で色んな表情もアクションも見れてそこは楽しかった
『異人たち』続き。ハリーとアダムのこと
ハリーの家族と自分を語る場面、落ち着いてて慣れたもののように話してたけど全然そうではなかったのだよね。見てるこちらはその時の気持ちを想像して泣いたけれど、私が想像する以上の悲しみだったことを思う。孤独で愛されたくてアダムの部屋を訪れたけれど、彼があまりに不安定で孤独であるから寄り添ってくれた優しさを思って切なくて泣いてる。でも最後にアダムはハリーの孤独に寄り添って、お互いに必要な優しさを相手にしてくれてて、上手く言えないのだけど二人はお互いに平等なのだなと感じた。
何であんな突然の出会いで、前から唯一の住人だから気になってたのかな、とは言えあんなに好き好きな態度なんだと最初不思議だったけど、彼の願望故もあったのかな。だからこそしんどくて、どうしてなんだて気持ちも捨てきれない。人は孤独と後悔を抱えながら生きていくしかないのだろうなという納得。それでも一緒にいたい、その人を大事にしたいという意思の話なのかなと思いました。
ハリー、アダムの部屋に訪れて断られた後だったらどうしよう、となり苦しくて、ただなんか『異人たちとの夏』観た後だと確信が持てて泣いてる。後悔と孤独のお話。ああしていれば、こうしていればと思う日々。「足りることなんてない」と分かりながら。それでも辛いよ
『異人たち』もう少し考えたかったけれどまとまらなかったので今の時点での感想です
母親がアダムがゲイであることを聞いて徐々に表情が強張り、ある瞬間に拒絶したことが分かるあの瞬間が苦しくて、見ててつらかった。最期までには理解を示そうとしていたけど、多分心の底からは変化は出来なかったのだと個人的には感じてる。それくらい彼女が生きてた時代の偏見は今より深刻だったろうしそれを覆すことは難しいのだと思えた。でも、それでも、アダムの幸せを願う気持ちもあるから。だから最後にはあのように話せたのかなと思った。意思が勝ったというより共にある感じ。「お前はどうしたい?」て父親の言葉のとおり、意志の話でもあるから。
父親の物分りが良さそうにしていて実はそうでもない(と自分は感じた)ところもリアルだった。父親が、「同級生ならいじめてた」と話す位なのだから偏見を無くすことの難しさを感じる。あとこういうことさらっと(言う本人はさらっとは言ってなかったろうけれど)言えること、それを言われたアダムのそうだろうという納得や諦めや悲しさを思うとつらかった。でも自分の過去の行動を謝れて、いいよと言ってもらえた父親はよかったね…というよかったと個人的に少し冷静に見ている自分もいる(父という物語に存在する人にすごくしんどくなる人間なので)。
『トゥルーディテクティブ ナイト・カントリー』昨日観終えた。死者が生者に語りかけていく場面が多くて、アラスカという土地であるからなのと物語がそうであるからなのかなと思った。後半「時間は細い渦」(だったかな)という言葉に当てはまりそうな場面でてきてどういうことなんだとなったり自分がよく見てなくて読み取れないところもあったけど嫌いではない終わり方だった。全ての出来事は極夜の吹雪の中で見えなくなってしまって、本当の出来事を知る人は責任を負ったり一生最悪が続いたりしていく。
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