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物知らずなので、去年著者の1人の訃報で初めて興味を持った「パリは燃えているか?」を電車でやっと読み終える。よくこんなに取材したなという本。4年占領されていた街が解放される前後の数週間、あらゆる人の細かい話がつまってて、解放前も最中もその後もあっけなく多くの人が殺されるが、生き残った人々がそのとき思ったことをすっと挿入してくるのですごく面白かった。
連合軍が来る前に警察署に集まりだしたレジスタンスを見てヴィシー的な責任者が「革命じゃないか」と驚く場面。
集団銃殺されるのを見てた囚人が自分の番が来たと思い、瞬間、故郷の子牛を思い出しておれがいなくなったらあの子はどうなる、と思うところ。
仲間内の誕生日を祝おうと手に入れた家鴨を今から焼こうという時にパリ行きを告げられて言葉を失う兵隊たち。
多くの兵士たちが街に入る前にもっと身綺麗にしておきたかったと思い、その後に生まれる幾多のロマンス、一瞬の邂逅。
その後の政治家たちの思惑や振る舞いが同時並行して語られるので、最後は全然いい話だけで終わらないのもよかった。

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