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商業のまんがをお勧めすると「絵が下手で読めない」と言われることがあるのですが、私はそれがよくわからないんですよね。
技巧にすぐれているとかは読み取れるんですけど、商業レベルのまんがってどれも絵を描きなれていますよね。バランスが崩れていてもそれが物語や雰囲気の強烈な個性になっていたりしてそれも楽しみでもあります。
絵がうまいけど印象に残らないとか、絵柄が個性的だとか、ストーリーが面白いという感想はある。

これに関連して、「絵」って技巧がすべてじゃないですよね。私はちゃんと批評を学んでいないし、美術も趣味なだけで専門的な本などもほとんど触れられていないのですが……。
いま美術館が表面的に、ポジティブに扱うことが問題視されている《裏側(十六恥漢図シリーズ)》も、女性がホモソーシャルのなかで揶揄されがちな趣味や行動が醜く描かれており、作者のミソジニックな態度と、美術界での女性の扱われ方表現のされ方の不平等、現代社会の状況など、さまざまな側面から鑑賞されているはず。

表面だけで気に入った漫画が、絵が下手!と一蹴されるのがけっこうショックなのです。
私はまんがにかんして、絵の技巧にあまり関心がなくて、物語やコマ割りの間のとり方などを中心に楽しんでいます。
話を読んでいけば、この絵じゃないと描けない表情やシーンがあって、キャラクターにも作者の考えが反映された個性が出いて面白いと私は感じているので……。

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