ここらへん、新型コロナ対策に置き換えても話が通じるのでめちゃくちゃ怖かった。
“国は新聞、雑誌、官報、全てを動員して国民を騙している。空襲は怖くない、焼夷弾は消せる、突撃して消火せよ。そうしてキヌさんのように大勢の人がそれを信じている。
しかも実際に焼夷弾が雨あられのように降ってきた時には、逃げ場がないんだ。公共の防空壕は物資不足でほとんどが素掘りの簡易なものばかりだ。焼夷弾の絨毯爆撃には用をなさない。
国が推奨している家庭の防空壕にしても、あんな床下に穴を掘っただけのものでは、むしろ焼け落ちた家の下敷きになって死ぬのがおちだ。今ある防空壕はもともと国民の命を守るものじゃない。これが防空壕に対する国の見解だ」”
太田愛 著『天上の葦』より
この小説はフィクションだけど、たくさんの参考資料は…………、と思うと寒気がする