ランチを作るちび6
またもやちびロックマンがエプロンをしている。今日は手に箒は持っていないので料理のようだ。そしてソファーに座らされるので、ナナリーは一応本を手にした。
ズゴゴゴッガキッ ダダダダダンッバキャッ グシャグシャビチャッ
これをBGMに落ち着いて読めるわけがないが。
「ななりー」
キッチンからひょこっと顔を出して呼ぶ姿はとてもあんな音をたてるようには見えない。怪我はないようなのでナナリーはゆっくりと立ち上がった。
「あ、オムライス」
大きめのオムライスにサラダとスープ。オムライスにはケチャップでハートが描かれている。あんな音をたててできたとは思えない料理だ。ちびロックマンはそわそわして料理の横に座っている。
「いただきます」
ナナリーのスプーンはハートのど真ん中に刺さる。そこから一口で入るのか?という量をスプーンに乗せる。当然、ハートは欠けた。ちびロックマンが頭真っ白になっているのに気付かず、ナナリーはそれを口に入れた。
「おいしい!」
幸せそうにナナリーは輝かんばかりの笑顔だ。その笑顔にちびロックマンは見惚れている。
「ありがと、ちび」
そんな笑顔のまま、ナナリーに頭を撫でられて、ちびロックマンは先程のショックをきれいに忘れ去った。