スーパー主夫?ちび6掃除編
「え?そこまで汚れてる?」
ちびロックマンはエプロンだけでなく彼の背丈ぐらいの箒を持っていた。首を横に振っているということは汚れてはいないらしいが、まかせろと言わんばかりに胸を叩いている。一応、料理は成功していた。どうやって調理したのか、もしかすると食材すら思っている物と違うかもしれないが。
これだけやる気ならとナナリーはソファーに座り本を読み出す。
どこからか音楽が流れてくる。これは夜会で踊る際に流れる曲だ。何故?と振り向こうとしたが、ナナリーの顔の横を何かが飛び出す。それはちびロックマンで、小さな雑巾を両手に持ち、何やらポーズを決めていた。
「???」
彼は確か掃除をしているはずで踊ってはいない筈だ。何より箒は何処へいったのか?それからもちびロックマンは掃除道具を手に持ち、時々ナナリーの周りを華麗に舞っていた。
音楽が止んだ。
「ななりー」
呼ばれた声に振り返ると、ピカピカに磨かれた床に満足げに立っているちびロックマン。そしてテーブルの上に先ほどまでなかったキュピレットの花が一輪。
「……これ、ちび?」
こくりとちびロックマンが頷く。一体どこに持っていた?と思いつつも「ありがとう」と告げると、ちびロックマンは嬉しそうに照れていた。