『アイヌ神謡集』を読んでいました。「人間などにいたずらを仕掛けた動物(カムイ)が人格神(オキキリムイ)の反撃を受けて死ぬ」というパターンの話が複数あるんですが、アイヌの世界観では、魂の座は「耳と耳の間」にあるので、流れとしては「(いたずらをオキキリムイに見つかる)」「(オキキリムイによる任意の暴力)」「(暗転)」「ふと気がついてみたら」「その(動物の死体の)耳と耳の間に私はすわっていた」になって、「ガッシ!ボカッ!」アタシは死んだ。スイーツ(笑)レベルのすごい速度感といい、死者(霊魂)の一人称視点による「死」の表現の巧みさといい、シュールさといい、超よくて、なおかつそれを色んな動物(カムイ)で何度もやられるので笑ってしまう。名著だ。