「露豪館殺人事件」読みました。
宇宙コロニーで発生した殺人事件を扱ったミステリ……いや、クローズドサークルってそういう意味だっけ?! というすごい舵切りで、謎の/けれど納得できる、なんなら王道でもある展開に進んでいく。そこには現代的で切実なスパイスも振りかけられており……とはいえ、全体としては例のごとくファニーな雰囲気をまとったユニークな作品で、面白かったです。
水町さんの小説、個人的には文体を興味深く見ていて、地の文に改行や句読点なしでどんどん会話文が挟まるのとか、同じく改行や句読点なしで別人が発する会話文が続くのとか、わりと破調をガンガンやられるんですよね。それがすごく作風に合っているし、作品の「コミック」ぽさやリーダビリティを高めていると思います。本作はそのあたりが極まっており、なんならそのトリック(トリックなのか?)はこの文体じゃないと成立しないまであるんじゃないかと。