『北極百貨店のコンシェルジュさん』を観ました。
原作読んでから行ったのに、脚色・再構成が上手すぎてまともに「食らって」しまい涙ぐんでしまった。1話完結のシリーズ漫画(10話)をどうやって1本の映画(70分)に脚本化するかのお手本でしたね。
・同じ線で括れるエピソードを一つに括る(ニホンオオカミ、マンモス、バーバリライオン)
・一つに括った上で「同時解決」させることでエモーションを高める
・尺も短くなる
・絶滅動物エピソードも一箇所に寄せることで説明パートを簡潔にしつつドラマフォールとしても利用する
・「主人公の成長譚」としてのテーマで全体を貫き、(店内装飾など季節感によって)時間経過も明示する
・その上で円環構造にすることで原作と同じやや据わりの悪い後味も生じさせる
など……。
映画として気になったのは、キャラクターの声の音響くらいです。全体に高音のアタックが強く、耳がキンキンする録音でキツかった。前に『からかい上手の高木さん』でも文句を言ったのですが、なんでああなるの?
アザラシのクレーマーの演出過多も気になりましたが、こちらは本質的には原作からあった瑕疵という気がしています。