『哀れなるものたち』p.171 l.4
「神秘的な奥義やら謎に頼るのは悪しき宗教だけだ。悪しき政府が秘密警察に頼るのと同じでね。真、善、美は神秘や謎ではない。それらは太陽の光や空気やパンのように、最もありきたりで、何より明々白々で、いちばん本質的な人生の事実なのだ。高いお金を払った教育のせいで頭の混乱している者たちだけが、真、善、美を珍しい個人の所有物だと思いこんでいる。自然はもっと気前がいい。宇宙は本質的なものを何ひとつとしてわれわれに隠しはしない。それはすべて、今ここに贈物として存在している。神とは宇宙に精神を加えたもの。神や宇宙や自然を神秘だと言う人は、神は嫉妬深いとか自然は怒っているという人と大差ない。結局、自分たちの孤独で混乱した精神状態を表明しているにすぎない」

ゴドウィン・バクスターの言。こういうスタンスの作品です!

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『哀れなるものたち』P261 l.8
「四番目もあるはずよ」わたしは言った、「だって、わたしはもう清浄無垢ではないし、ドクター・フッカーの考えていることも、あなたの考えていることも、同じように大嫌いだもの」
「それは君が存在しない道を探そうとしているからだ」
「幼稚なお馬鹿さんや、自分勝手なオプティミストや、同じように自分勝手な冷笑家になるよりは、生きているかぎり、その道を探すわ」わたしは彼に言った、「そして夫にもわたしと同じようにその道を探す人になってもらう」
「うんざりするような夫婦になるな」

すごない???92年の小説なんだ………てなった

アレキサンドリアで乞食たち(原文ママで)を目にしたあとのやり取り

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