紅白のドラマ演出で『虎に翼』学生時代の主人公 が「海の向こうでは戦争があって、苦しんでいるご婦人たちがいて...」 というセリフを言うんだけど、このシーンは作中の時間軸では日本が日中戦争を開始して満州制圧して南京虐殺を起こした年でした。なにが「海の向こうでは戦争が...」 なんだろうか、自分たちが侵略戦争をおっ始めた側の国民なのに他人事にもほどがあるだろう、としか思えず、怒りで具合が悪くなった。
あの演出とセリフを「ガザ/パレスチナへの連帯だ」と読み解いて感動している人たちがTLに溢れかえり、それも心底恐ろしかった。他国を植民地にして侵略した先の現地人を虐殺しまくっていた時代の大日本帝国人のキャラたちを使い、現在のガザに目配せするような演出した製作陣の倫理観はどうなっているんだろうか、あれに感動していた"日本人"の視聴者たちも全員気持ち悪かった。
満州侵略して南京虐殺を起こした年の大日本帝国 人のキャラたちが、作中で自分たちの国が侵略戦 争やってることを棚に上げて「海の向こうでは戦 争があって...」とメタ演出でガザに連帯してみせる(そしてそれ観た日本人視聴者が感動する)の、 あまりにもグロテスク過ぎて、3日経った今も新鮮に怒りと呆れで血管切れそうです。本当は。

主人公が「海の向こうでは戦争が」と言ったとき、作中の時代では日本の侵略戦争によって数え切れぬ人が殺されていた。さらに言えば、そのせいで私の祖父は異国で戦災孤児になったし、そのせいで私は日本で生まれ育っている。
これが特番のドラマパートにおけるメタ演出だとしても、いったいなにが「海の向こう」の話なんだろうか。戦争や植民地そして虐殺について、日本という国あるいは"日本人"が「遠い国の話」のように語れるときなんて存在していないと私は思う。
私が斜に構えた見方しかできてないのかもしれないけど、植民地で虐殺を起こしていた時代の宗主国民のキャラクターたち(そのキャラ自体は素朴な良い人だとしても宗主国民である)を使って、今まさに虐殺が行われている植民地に「連帯」するメタ的な演出は、私にはグロテスクすぎて無理でした。

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本当は上記の投稿を公開するのも怖い。なのでMastodonでしか書いていません。
とてもではないけれど、Twitterでこんな話(つまり『虎に翼』関連作品に対する絶賛の空気に水を差すような発言)はできそうにない。私は弱いので、「普通の日本人」が怖いし、普段いいこと言ってるフェミニストなどの言論人や知識人たちが植民地ルーツからの異議申し立てをキッカケにして帝国主義者に豹変する様を見たくないので(何度も見てきて心が折れそうなので)。

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