IGでラファのテント郡を模した画像が拡散されています。(参考①: instagram.com/p/C7hEPgwvo_8/?i)
私は の声が大きくなることを支持します。
しかし、ラファのテント郡の実状はこうです。(参考②: apnews.com/article/israel-gaza)
今、セレブ/インフルエンサーたちがIGでシェアし始めた画像(①)は、AI制作のもので、絵的な見栄えはするかもしれないですが、実際(②)とかけ離れたものです。
この画像のシェアを流行らせたのはセレブ/インフルエンサーという、資本家/富裕層たちです。
かれらは、AIによる不正確な画像ではなく、寄付先や支援先の情報をシェアし、それを流行らせることもできたのに、自分のプラットフォームとリソースをそれには使わなかったということです。
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この画像ムーブメントは、セレブ/インフルエンサーという、資本家/富裕層の大人たちよって作られた側面があります。
これは「スラックティビズム(Slacktivism)」と呼ばれるもので、批判的な視点が必要です。ガザの事実より、AI画像の方がシェアされている状況は打破しなければならないです。
私のこうした発言はオンライン運動の盛り上がりに水を差すことになるかもしれません。しかしオンライン運動だからこそ、不正確な情報を拡散することや、当事者たちの助けにならず参加者の自己満足で終わってしまうことは避けるべき(参加している人も避けたいはず)です。
特定の画像(不正確なAI画像)をシェアする流行として終わらせるのではなく、これが運動・連帯であるなら(あるいはそのキッカケとして機能することを信じるなら)ば、社会的に実益のある実践もセットで行う必要があります。
ガザの事実を捉えた写真や映像はすでに溢れています。シェアする際は、できれば事実に基づく情報もセットでシェアしてください。
連帯を表明するときは上記のAI画像だけでなく、ボイコット情報・寄付先・支援先・ニュース・現地の当事者による発信などもシェアしてください。
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現に、ラファのためのハッシュタグ が、このAI画像で埋め尽くされはじめています。検索結果でもこのAI画像がかなりの割合を占めています。
事実に即したニュースや当事者たちによる投稿、運動や連帯に必要な情報ではなく、AI画像に占拠されているのです。
この状況はよくないです。1枚の不正確なAI画像をシェアするブームに乗るのをやめて、ガザ/ラファの事実を一つでも多くシェアし、ガザ/ラファの事実を反映した投稿に反応する必要があります。

BLM運動やSpopAsianHate運動が勢い付きはじめたときも、無視できない段階になるとそれまで黙っていたセレブ/インフルエンサーたちが同じように画像を大量シェアし始めました。そのときは黒一色や青一色の、限りなく無情報の画像でした。
連帯の意思表示がムーブメントになったことは喜ばしいことです。しかし、デモの告知やアクションの呼びかけなどの情報が、こうした画像に押し流され、当事者の情報収集や運動そのものが一時的に停滞してしまったのも事実です。
無意味な画像にハッシュタグを付けるのをやめようという呼びかけさえ起こりました。
今また同じことが起きています。何をどう拡散するか、オンラインアクションする際は皆で気をつけていきましょう。

上記についてよりわかりやすく説明されている動画のリンクです。

@ palestine.in.japanese /at IG
Via @ anat.international & @ littleyegg
instagram.com/reel/C7iiOlIMgqp

(追記)
史実/事実を基にした創作すべてがダメなわけでは決してない。運動のナラティブと共鳴する創作物が運動を牽引することは当然どの時代どの運動にも起こり得る。創作物にはそうした力がある。
だからこそ、よく考える必要があると思っています。

たとえば、最近よく話題にあがる観光被害(これも被害を受ける側からすれば深刻な問題)の解決に向けた運動の一つで「舞妓さんに敬意を払おう!」という問題提起アクションが行われたとして、世界的に"バズる"ビジュアルが「着物が不正確な生成AI画像」でいいのか、という。
それは本当に対象にリスペクトや連帯を示していることになるのか、対象の被害に注目していることになるのか、という指摘は当然だし、非当事者であれば尚のこと「結果的に関心が集まれば良し」と言うのではなく立ち止まる必要もあるはず。

※このとき「その画像を作ったのは/その画像を最初に拡散したのは/その画像のモデルは、当事者ですよ」という反論は(事実だとしても)意味がない。作者や企画者が誰でろうと「なぜそのビジュアルが好まれるのか/そのビジュアルは誰にとって都合が良いのか/そのビジュアルは運動の思想や目的にそぐわないのではないか/そのビジュアルが運動を阻害しないか」という問題は存在し、指摘の有効性は変わらないので。

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生成AI画像をシェアするラファ連帯ムーブメントについて、アルジャジーラが記事を公開していました。
画像制作者の方もこの画像の問題点を把握していて、「ラファのための情報を拡散し続ける」とコメントしているようです。
記事の結びの文章は以下です。

"I would encourage users and consumers of AI-generated images, to consider how these AI-generated images are aestheticising and normalising scenes of horrific violence against Palestinians, and rendering them more digestible and safe"
「生成AI画像の使用者や消費者に、これらの生成AI画像が、パレスチナ人に対する恐ろしい暴力の光景をいかに美化し常態化し、より安易に消化しやすいものにしているかを、考えるよう勧めたい」

What is ‘All eyes on Rafah’? Decoding a viral social trend on Israel’s war aje.io/vsouwz @/AJEnglish

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