『宝石の国』最終回
ちなみに阿弥陀如来は釈迦により発見された仏であり、釈迦が現れなければ誰も阿弥陀如来の存在を知ることはできなかったとされているので、作中でフォスが阿弥陀如来になれたのはフォスの元に釈迦(彗星フォス)が現れていたからということで、時制の矛盾もない。
フォス一人が三世仏の全てに相当することで、結果的に物語が円環構造になり閉じることになっていて、これもまたマントラ的で非常に仏教思想を感じる。どにらにせよ物語が上手い。
作中のジェンダー表象や恋愛描写については批判点があることも把握・理解しているが、仏教をメインモチーフにした宗教的な作品としての上手さと面白さはめちゃくちゃ評価している……。それに、作者自身のフェティシズムというある種のセクシュアリティと信仰心(作者は仏教校出身)の折り合いをつけるような仏教テーマの物語を、日本で(2012年に開始して)やりきったという点で、クィア作品の一時代を拓いたとも思う。 2/2