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敗戦の日を政治犯として刑務所にいた思想家・羽仁五郎は、敗戦と同時に、この刑務所へ、仲間たちが自分ら軍国主義の被弾圧者たちの解放のためにやってくると確信したそうだ。

しかしだれひとり来なかった。

刑務所でその事実を苦渋の思いで認めるにいたり、〈戦後〉の日本がついに「革命」の千載一遇の好機を逃したことを知ったとき、羽仁に本当の絶望と覚悟が訪れたに違いない。

その不発の〈解放〉の日の悲劇──悲劇はつねに人間的なものである──が、いまにまっすぐに繫がっているのではないか。

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