まともに報道を追っていれば到底選べないはずの候補に投票してしまう。報道は基本的に二次情報なのだけど、どう考えてもそれよりも信頼性が低いメディアを一次情報に近いものと見なす人が増加しているのは、報道が paywall の向こう側に行ってしまったのも原因の一つだと思う。しかし、ちゃんとお金を払わないと、まともな報道は生きていけない。大変なジレンマだけど、英ガーディアン紙が paywall ではなく寄付というやり方を採っているのは、その意味でうまいやり方ではある。しかし寄付をして支える側に覚悟とかなりの自己犠牲が必要だ。日本は寄付文化が弱いので、寄付モデルに移行する勇気を奮う報道機関が現れるという展望が描きづらい。僕はちゃんとお金を払わないと質の維持もできないという思いから paywall のお金を日本では2紙、アメリカでは3誌に払っているが、それだけではこれらのメディアの作る記事が世の中で広く読まれることの手助けにならないのが悔しい。情報戦を戦うには、差し当たり、まともな報道機関が寄付モデルに移行することが必要だろう。僕はそういうところが出てきたら支えたい。