震災後に生まれた子供も、今や小学5、6年生となりました。地震や津波の伝承は盛んにいわれますが、原発事故についても、伝承していかなくてはいけません。浜通りでは、イノベーションコースト構想推進機構の主催で2024年度に「ふくしま浜通り国際芸術祭」が行われるといいます。しかしそこで掲げられているのは、風評払拭であり原発事故のイメージの払拭であって、伝承という視点はありません。現在進行形の原発事故ですが、その被害の実相は忖度のベールに包まれており、さらに国策アートによって上書きがされようとしているのです。↓
原発事故により何が失われ、しかし一方でどのように市民が考え、立ち上がろうとしてきたのか、しっかりと後世に残していかなくてはいけないと思います。原発と同じように上から降ってきた「復興」など、“まぼろし”に過ぎません。しっかりと過去、現在を見つめ伝えることで、未来へ向けて動き出すことが出来るのではないでしょうか。
鈴木邦弘