ネタバレが含まれます。
後味よ。
連作短編で構成される「Iターン」を題材としたミステリ。
短編の中にはあっけなく終わるものもあって、「あれ……ミステリ……?」ってなるんだけど、次第に「ああ……これ……黒幕がいる……」となっていく。
語り手である主人公が、実は「(ある程度)頭が硬い」ことがじわじわわかっていくと、あっ、ということは黒幕は……と読みが定まっていって、そこが感情的にはつらい。
最後は寂しいまま終わってしまうので、その後の彼らのことが気にかかりはするが、これはここで終わる物語だろうなあと思った。