君がいじめられるのはね、魅力的だからさ。彼らは狭い世界に閉じられているから、そこから遁れられている君が羨ましいんだ。でも、どうやってそれを手に入れたらよいか分からないから、君をいじめてる。愚かだよね。そんなことをしても、何も手に入らないのに。むしろ、自由から遠ざかっていくばかりだ。彼らにも君と同じ翼があって、でもそのことに気づかないまま、つまらない世界の片棒を担いでいつまでも飛べないでいる……。君は今、孤独を感じているかもしれないけれど、いつか分かるよ、君にも仲間がいるってことが。街で、それこそプラタナスのざわめく並木道を歩いていて、君は数人の人とすれ違う。その内のつまらなそうにして、でも口笛を吹いている一人と目が合う。そして、そのまま別れ別れになるけれど、気づくんだ、そいつが君の仲間だって。孤独なのはむしろ、そのことが分からないで、君をいじめている奴らなのさ……。