古代ローマ旅行ガイドフィリップ・マティザック著/安原和見・訳(ちくま学芸文庫)
古代ローマを扱った本と言うと、政治や軍事を中心に大きな流れを紹介する物が多いが、ローマ史の研究者マティザックは我々異邦人が古代ローマを訪れる際に(!)役立つガイドブックのようにこの本を書いている。
想定しているのは西暦200年頃のローマ市である。時代的には五賢帝時代が終わりセウェルス朝が始まった時期で、最盛期は過ぎつつあるがいわゆる危機の3世紀、軍人皇帝の時代までは幾ばくかの猶予が残されている時代だ。
ガイドということで、近郊の街道筋の辺りから紹介が始まり、市内に入ると宿泊やショッピングについての話題が始まり、市内を散策する際の見所なども語られる。これを読んでいくと、巨大帝国を支えた普通の人々の日常生活の様子が浮かび上がってくるようだ。
巻末には僅かだけど、それこそ観光ガイドによく見られるような、役に立つラテン語会話というページがある。ビールをください(Da mihi fermentum)みたいなものから、殺さないで、お金は全部あげます(Noli me necare, cape omnias pecunias meas)みたいな剣呑なものまであったりする。
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想定しているのは西暦200年頃のローマ市である。時代的には五賢帝時代が終わりセウェルス朝が始まった時期で、最盛期は過ぎつつあるがいわゆる危機の3世紀、軍人皇帝の時代までは幾ばくかの猶予が残されている時代だ。