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[幌メモ その60]
都筑道夫『キリオン・スレイの生活と推理』角川文庫
〈キリオン・スレイ〉シリーズ第1作目。アメリカからやってきた前衛詩人の「キル」ことキリオンが英語が堪能な友人・青山富雄(トニイ)宅に居候し、グウタラしつつも持ち込まれる不思議な事件を見事な論理で解決していく全6編の連作本格推理短編集。

📚 「トリックよりロジック」「名探偵復活を提唱」する作者が日本の推理小説に最も欠けているものは論理性だと指摘、アメリカからやって来た、怠惰だが論理癖のある詩人を探偵役に据えたシリーズです。ちなみに同年『七十五羽の烏』も発表しているのは主張を意欲的に実践していたということの証左でしょう。

📚 全6編のうち、特に私のお気に入りは「なぜ完璧なアリバイを容疑者は否定したのか」「なぜ密室から凶器だけが消えたのか」「なぜ幽霊は朝めしを食ったのか」です ☺️ 各編の標題が設問式なのも特徴なのですが……何といってもカバー画。山藤章二が半纏の背中に欛(つか)の文字を描いたのが、実に心憎い ✨

読了日 2021年12月17日

[追記] シリーズ第3作目を読んだので、それより前の2作品を取り急ぎ紹介しておきます :blobtanuki_work:

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