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[幌メモ その58]
スティーヴン・キャラハン『大西洋漂流76日間』ハヤカワ文庫
[訳] 長辻象平
1982年、イギリスからアフリカのカナリア諸島を経てカリブ海に浮かぶアンティグア島へ向かう途中、突如沈没した著者の小型ヨット。ゴム製救命イカダに逃れ肉体的・精神的に極限状態の孤独な漂流生活をも乗り越え生還したヨットマンが綴る壮絶なノンフィクション。

📚 遭難後や漂流中の救命イカダ内での生活と生命維持がこの本の大部分を占めるのですが……読んでいるだけで苦しいです 😣 蒸留器が機能せず真水を確保できない日が続くとか、イカダがゴム製なので一部に体重が加わると下にたわむのですが、そこを四六時中シイラが攻撃してくるだとか……想像するだけで 😱

📚 また巻末の長辻象平氏による「訳者あとがき」が非常に面白く、特に著者と、1952年に自ら漂流実験をほぼ同じルートで行っていたフランス人医師アラン・ボンバールとを比較した文章は必読です。

「通常、人間はどれ位の漂流に耐えられるのか」という問いを含め、色々と考えさせられた作品でした。

読了日 2021年2月7日

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