北森鴻『共犯マジック』徳間文庫
人の不幸のみを予言する謎の占い書《フォーチュンブック》。一旦は市場に30万部も流れたが、その書物の性質上自殺者が増加し社会現象に。書店組合の販売自粛、書店取次業者の取扱拒否により全国の書店から姿を消した……はずだった。
📚 運命に導かれるように《フォーチュンブック》に翻弄されて犯罪に手を染めることになった人々が、錯綜しながら紡いだ物語です。プロローグと7つの物語で構成されていますが、各短編が独立しているわけではなく、かといって連作短編よりも繋がりが濃い、なんとも不思議な味わいの非常に魅力的な作品です
📚 本来、次に読む北森作品は『狐闇』を予定していたのですが、この作品を教えていただいたこともあって興味を持ち、こちらを先に読むことにしました(作品発表順も『共犯マジック』の方が『狐闇』より先だったということもあります )。結果的に北森鴻という作家さんの、懐の深さを知ることが出来ました