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天藤真『大誘拐』角川文庫
9月上旬、紀州随一の大富豪といわれる柳川家の女主人・とし子刀自が不意に「山歩き」がしてみたいと言い出した。その日限りと思われた刀自の気まぐれが数日間続いた頃、後に「虹の童子」の名で知られることになる誘拐団が予測不能と思われた刀自一行の行動パターンを遂に読み切り、実行に移ることに……。

📚 第32回日本推理作家協会賞長編賞受賞作品。物語のクライマックスが10月4日だったので、それに合わせて読んでみました……というのは辻褄合わせですが 😅 噂に聞いていた以上の面白さというか読み応えで、何より普通の「誘拐もの」とは少し異なる魅力のある作品だったので、少し時間をかけてじっくり味わうことにしました。

📚 というのも、この作品は特殊な事情で犯人の視点で物語が進み、警察の視点が裏読みされた後追いで続くので、どちらかというと犯人を応援したくなるという不思議な展開になります。これはどう物語を着地させるのだろうと思った最終盤の仕掛け……これが凄い。最後まで作者に上手くやられてしまいました。「虹の童子」に振り回されたこの2週間……楽しかったです ☺️

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