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[2023年 7月読了本 その2]
愛川晶『落語刑事サダキチ 泥棒と所帯をもった女』中公文庫

昭和55年2月に「小窓の義介」こと袴田義介が窃盗で逮捕された。偶然再会した4年前の大晦日、空き巣に入った家の住人女性と入籍し女房とせがれが一遍にできて堅気になったと話していたのに……(表題作)。全3編の落語ミステリ×警察小説。

📚 〈落語刑事サダキチ〉シリーズ第2作目。相変わらず各話の締めが綺麗で、余韻も心地良いです ☺️ ただ平林定吉巡査部長の立ち位置が事件に奔走し過ぎて推理にノータッチなのは余り主人公っぽくないとも言えるんだけれど……まあ、その推理を授けるのが「稲荷町」じゃあ仕方がないか……あ、もしかしたら 💡

[追記] シリーズ作品ですので前作の感想等も返信で繋げますが〈落語刑事サダキチ〉シリーズのみで……この辺の説明は、ちょっとややこしいのです 😅

愛川晶『落語刑事サダキチ 神楽坂の赤犬』中公文庫

昭和54年12月、神楽坂周辺の見番横丁で強盗事件が発生した。神楽坂警察署刑事課捜査一係の平林定吉(さだよし)巡査部長は事情により既に初動を済ませていた捜査三係と連携、同係の「余り評判の芳しくない」三崎優子巡査と捜査をすることに……。

📚 シリーズ第1作目ながら八代目林家正蔵師匠が活躍する〈座布団探偵〉シリーズの流れも引き継いだ全3編の警察小説風本格落語ミステリです。今までのゲスト主人公的な落語家視点での物語ではなく、刑事2人を主人公に据えたことで「捜査」と「推理」の役割も明確になり、より楽しみ易くなった印象です。

📚 個人的には展開の読めない〈座布団探偵〉シリーズの構成も好きですが、物語の中心を警察に置きキラーパスは探偵役が稲荷町から出すという構図は安定感抜群で面白いです ☺️ 更に「落語ミステリ」ですので警察内での会話の遣り取りにもそのテイストが満遍なく入れてあるのですが、その手法が心憎くて…… 😁

読了日 2022年9月18日

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