確か宇佐見りんが『かか』で文藝賞を受賞したときの選評だったと思うんだけど(違ったらすみません)、川上未映子が「この作者は目の感覚(≒視覚の描写)が非常に鋭いが、それに比べると耳の感覚(≒音の描写)が鈍いのが気になった」みたいな感じの評をしてて、その評の良し悪しはともかく「ヘェ、そうか…」と思った記憶がある。
いや、ちょっと若干危うさを抱えた論な気もするけども。ただ純粋に、あたしは自分が小説を書く時に視覚の描写と音の描写のバランスを考えてなかったな、とそこでハッとさせられたんだよね。少なくともあたし個人が書く時は、そこに意識的になるべきだな、と。