2023映画初めは『RRR』から。改めて見直した今回の方が余計なことをあまり考えず集中して観れておもしろかった。
この映画は終わった後の劇場の空気がとにかくいい感じなのが心地よい。老若男女みんな笑顔でガヤガヤしながら席を立っていく。
実はS. S. ラージャマウリ監督はアイン・ランド好きということをちょくちょく言っているらしく、例えばこのインタビュー(https://www.firstpost.com/entertainment/ss-rajamouli-on-baahubali-2-the-conclusion-being-an-atheist-and-his-love-for-cinema-3408524.html )の中盤では無神論者になったキッカケとして、映画業界の知人にFountainheadを薦められて読み大きく影響を受けたと述べている。
"熱心なフォロワーではない"と断りを入れているが、無神論者でランド好きな映画作家が神話的構造を持った強烈な自己実現型のストーリーの映画を作って大ヒットさせた、と乱暴にまとめてしまうと、なんというか、しっくりきてしまうというか、合点がいくような感覚がする。
そうしたちょっと危ういようなところまで含めて、やっぱりおもしろい映画、おもしろい作家だと思う。
まあランド云々はともかく、他民族・多宗教国家であるインドにおいて無神論者でありそれを公言している、というのはかなり自分のよく知らない文脈がありそう。先のインタビューでは自分の思想と自分の作品は全く別物だとも言っていて、そのあたりも若干もやっとすると言うか一筋縄ではいかない感じ。