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『問題発生当日のNHKは「不適切な発言」だったとの説明にとどめていた。
 ところが3日後、稲葉延雄会長が自民党に出向いて釈明に追われたその日になると「不適切な発言」という表現が「政府の公式見解とは異なる発言」に変わる。
 この変更の理由をNHKに尋ねたが、「その時点で適切だと自ら判断した表現で伝えたものです」(広報局)というだけだった。
 政府がどんな見解を持っているのかを伝えるのはもちろん大事なことだ。尖閣が日本の領土だという見解には国内で大半の人が同意するだろうし、この件でNHKニュースと日本政府の立場が一致しているのもわかる。
 だが時に、報道機関は政府見解とは異なる内容も伝えなければならない。政府の見解を伝えるにしても独立した立場から報じるべきだし、どんなときでも政府の代弁者になってはいけないはずだ。
 にもかかわらず、NHKはいとも簡単に「政府見解と異なる」内容だったことを前面に出してざんげした。
 国営放送ではなく政府から独立した公共放送だと名乗るなら、ここは譲れない一線なのではないかと思うのだが』
asahi.com/articles/ASSBR46DMSB

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