先のtootに関連する話。『海が走るエンドロール』、面白いんだけど、そもそも「65歳はここまで年寄りじゃない…」というのがあるので私は感情移入できなかったです。多分これ、60代の女性が読んだらみんなそう思うんじゃないかな、という気がする。
実際に60代になってわかったのは、若い人とのギャップを感じて老化を実感するんじゃなく、中身は変わってないのに身体能力が衰えて見た目が老人になり周囲から高齢者と認識され、自己認識とのギャップに驚くのですよ。自分で「もう年寄りだから」と卑屈になるんじゃなくて。
仕方ないこととはいえ、漫画に描かれる老人=特に女性の高齢者は「若い人が想像した高齢者」なんだな~と。老いを恥じている、引け目に思ってる感じ。実際はただただ「うそー、いつの間にこんな!?」って愕然としてるだけだし、なんなら自分の老いに気づかず若い人と対等な気分でしゃべっちゃって、あとで「あちゃー」ってなってるんです😇
これは本当に自分で体験しないとわからないことだし、だとしたら女性高齢者が主人公の漫画を自分で描くしかないなあ…。ニーズ(まずは媒体)があるのかどうかわからないけど。
あと大事な点として、「年齢」ではなく「世代」によって高齢者像は異なる、というのがある。今の60代と30年前の60年代とでは、まず意識が異なる。若いときの栄養状態に関連して、体型も体力も違う。
何より、その世代ならではの「高齢になったらこうあるべき、という規範意識」が全く違う。そこは一番無視したらダメなところなんだけど、どうも未だに高齢女性は「年寄りでスミマセン」と思ってる、みたいなステレオタイプがあるような。そこが『海が…』に特に違和感を持った理由かもしれない。『メタモルフォーゼの縁側』は『海が』よりも10歳上(作品発表年を考慮に入れると一回り上)なので、また違ってくると思う。