【声明発表】
本日11月20日は「トランスジェンダー追悼の日」です。
私を含む51名の小説家が、「LGBTQ+差別に反対する小説家の声明」を発表しました。
ぜひご一読の上、シェア等お願いできればと思います。
「かんぴんさん」(またの名を「かんぴんたんさん」)という人が、2020年から現在に至るまで、4年以上にわたり、私に付きまとい、様々なSNSで私を「トランス嫌悪」だとか「エイブリズム」だとか「トランスレズビアン嫌悪」だとか、根拠のない誹謗中傷を繰り返してきました。
これまであえてネットで弁明せず、放置したのは、自身の影響力に鑑みての結果でした。「かんぴんさん」の自己申告を信じれば、氏は日常生活においてさえ大きな困難を抱えているトランスフェムの方とのことです。私は、トランスジェンダー当事者の悲嘆を増やしたくないので、あえて見てみぬふりをしました。
本来なら、「かんぴんさん」の付きまとい行為や誹謗中傷行為は、提訴してもいいレベルでしたが、あえてしませんでした。
しかし、そろそろ看過できないので、ここで宣言します。
「かんぴんさん」は弁護士を募集しているようですが、提訴するなら受けて立ちます。
「かんぴんさん」の主張には、これっぽちも理はありません。
【新刊、予約受付中】
李琴峰の記念すべき第10単行本『言霊の幸う国で』で、書影公開&予約受付中!
書き下ろし1000枚の入魂の大長編。
私は自分を殺す覚悟でこの作品を書きました。
決して読んでいて楽しい作品ではありませんが、後世がこの時代を振り返り評価する際に参照しなければならない書物になると思います。
これは時代に打ち込む楔であり、歴史の法廷に提出する陳述書です。
社会的な問題を決して個人的な問題に矮小化しない、時代の記録にして、怒りの文学。
「そうですよね、文学で怒っていいんだ。文学シーンも社会。差別に抵抗し、みんなで仕事をするんだ。李さんが仕事をし続けてくれることは、すべてのマイノリティにとって希望になる!」
――山崎ナオコーラ(作家)
「記録せよ。記録せよ。記録せよ。私たちの生を。私たちの死を。私たちを憎むものらの醜い姿を。そして、私たちが何者であるかを。」
――高井ゆと里(哲学者)
【新作小説】
現在発売中の『すばる』7月号に、李琴峰の新作小説
「くすむ虹は燦然と輝く/クィア・イン・アイオワ」
が掲載されています。
この作品を、プライド月間である6月に出せることをとても嬉しく思っています。
この作品は、米国の保守州であるアイオワ州で起きている反LGBTQ+の保守バックラッシュのすさまじさ、そしてバックラッシュに抵抗する大学生や職員たちの闘う姿を描いています。
しかし、これは「遠い外国」の話ではありません。
日本もまた地続きにあることを忘れてはなりません。
6月下旬に発売予定の新刊『言霊の幸う国で』(筑摩書房)と合わせて、プライド月間に読むのにふさわしい作品だと思います。
ぜひお手に取ってください。
作家、翻訳家。
■芥川賞『彼岸花が咲く島』
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■芸術選奨新人賞『ポラリスが降り注ぐ夜』
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■エッセイ集『透明な膜を隔てながら』
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