『九月、東京の路上で』読み中。第2章の、東京から地方へ避難する列車の中でも突然「お前、朝鮮人だろ」と言って虐殺があったという話で、左翼系作家の江口渙の言葉が印象的。
p85「無防備の少数者を多数の武器と力で得々として虐殺した勇敢にして忠実なる『大和魂』に対して、心からの侮辱と憎悪を感じないわけにはいかなかった。ことに、その愚昧さと卑劣さと無節制とに対して」。
そしてp86 「小山駅では、下車する避難民のなかから朝鮮人を探し出して制裁を加えようと、3000人の群衆が集まった。このとき一人の女性が、…手を広げて立ちはだかり、「こういうことはいけません」「あなたは井戸に毒を入れたところを見たのですか」と訴えたという逸話が残っている。」引用終わり。
ちょうど今日のお昼に、弊社女子社員とこんな話をしていた。極度のストレス状況に陥ると、この国の人は抵抗しない個人を集団で残虐に扱う習性があるよね。エピジェネティックな残虐性を持つ国民なのかな、と。
Twitterでも時折見かけますよね。こういう集団リンチみたいなの。わりと頻繁に。
そして、毅然として立ちはだかる女性も時折見かける。肝の据わった女性。
100年前のことだけど、今とよく似ているな、と。読むのが辛い本だけど、読んで良かったと思う。