千葉雅也『現代思想入門』(講談社現代新書)読了。デリダ、ドゥルーズ、フーコーを軸にポスト構造主義思想を解説している。ジュティス・バトラーを読むためにオススメされていたので読んだが、他者や差異の辺りは意外と親近感があり興味深く読めた。
ただ、全体を通して「近代」を過剰に重要視していてヨーロッパ中心的で鼻につく。内容も仏典や老荘とかぶる印象があるから余計にヨーロッパ中心主義に無自覚なところが気になる。

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『現代思想入門』を読んで、哲学の難しさを思い知らされた。本文の難解さはもちろんだが他の部分にも疑問は尽きない。
①簡単にまとめられるのに敢えて難解な文章にしてるのは、自分の考えを簡単に開陳したくない「有害な男性性」が原因の一つになってるのでは。
②ポスト・ポスト構造主義として数学を軸にした思弁的実在論にしても、自然科学のエピデンスに基づいた自然主義哲学にしても、ヨーロッパ中心主義や男性中心主義を拭えるのか。(参照『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か』)
③哲学が人類の普遍的営みなら、当然ヨーロッパ以外の地域でも哲学があり哲学史が編纂されるべきだが、思想や思想史で括られる。哲学が古代ギリシャに端を発したローカルな思想体系と認めないなら、非欧州圏の知的営みを哲学として再編纂し同一性と差異を比較すべきでは。(中島隆博『中国哲学史』参照)
④現在、世界史が欧州中心的だと批判され見直されている。その一つの方法としてグローバルヒストリーがある。グローバルヒストリーに基づいた哲学はあるのか。

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