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ほかげ

題材が題材なので身構えていたけど、不必要に女性の裸を見せるようなシーンはなかった。女性に対する暴力と性暴力の描写はあります。

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趣里も森山未來も塚尾桜雅も素晴らしい。特に森山未來の身体の操り方に目を奪われる。インタビューで「カラックス作品におけるドニ・ラヴァン」に例えられていたけどめちゃくちゃ納得した。おそらくPTSDで家に閉じこもっている人に格子越しに手を差し伸べる中盤のあのシーン、鬼のような切り返しとそのリズムが崩れる瞬間の訪れ、ヤバかった。基本はドラマだけど塚本晋也っぽい〜て感じのエフェクトと不気味なイメージ(あれは焼け野原となった街のミニチュア?)もあってドキッとした。劇伴は打ち込み感強いやつもあったけどボォォォオオって低音が響いてくるようなトラックはさすが石川忠。
ただ趣里の役の人が前半のぶっきらぼうなスタイルのままでいてくれれば良かったけど中盤からやけに優しくなっていくのでそこはちょっと残念。ラストも銃声→坊やの顔のアップ(無音)→暗転の方が綺麗だったと思うけど雑踏へ消えていく半端なカットで〆たのは綺麗すぎるからなのかそれとも照れ隠しとかなのか。

どうしても比較せざるを得ないけど、山崎貴のカスゴジラの何億倍も真っ当に戦後を描いていた。両方見ないと映画館出られないようにした方がいいと思う。戦後は汚くて、臭くて、不味くて、怖いんだよ。

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