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ジャンヌ・ダルク裁判

ブレッソンにも合う合わないがあるなーと思い始めたくらいのタイミングなんだけどこれはバチっとハマった。わずか64分の一切無駄のない映画。

男だらけの法廷でとにかく否定し続ける、自分の信じたことを曲げないジャンヌ・ダルクとブレッソンの素人起用、棒読み無表情という演出スタイルが強力に合致していて芯のある人物としての説得力が凄い。特典の予告では「ジャンヌ・ダルクの裁判だけでなくすべての有罪を前提とする裁判を再現する。裁判制度の是非を問う」みたいな文言が出てきてたけど、そういう点以外にもとにかく折れない女性としてのジャンヌ・ダルク像が今見ても十分に意義のあるものになってる。サントメールを面白く見られた人は今作も興味深いものとして見られる気がする。男の服を着た女性が「女の服を着ろ」と強要されるけど拒み続けるという話でもあり、フェミニズムは確かに存在する。ラストは処刑されてしまうけど跡形もなくなるし手錠が緩むような?カットも入るので本当に死んだのかもあやふやにしているように見えるのが良い。

そして今回も音楽の絞り方は最高。フルオーケストラにシンセやらなんやら入れたマッシブな映画音楽が当たり前の時代に、スネア一つでこんなにスリリングな空間を作れることを思い出したい。

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