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ベビー・シッターズ・クラブ シーズン1
4K ドルビービジョン
撮影は全編8K(!)らしい。

とにかく子役が一生懸命演技しててそれだけで見てられる。こっちで先にソーチー・ゴメス見てた人はMoMに出てきた時の喜びもひとしおだっただろうな。カレン役のソフィア・ リード=ガンツァートには毎回爆笑させられた。美味しい役だったな。

しかし一見ポップで軽く見えてその実重めのエピソードや社会のあり方と深く関わる話が多くて割と食らった。また気になる部分もなくはなく、文化と言っちゃそれまでだけどローティーンに子守を任せるってさらに彼女らを子守りする人が必要な年齢では……?とか思っちゃう。具体的な部分だとステイシーの糖尿病の話は彼女の障壁を乗り越える勇気に感動しつつ12〜13歳の子が持病をあんな大勢の大人の前で公にしないといけないのか……?とか思っちゃったし9.10話のキャンプで社会運動を始めるエピソードは骨太だなと思いつつ10話序盤メアリー・アンのハンセン病を揶揄するような台詞とクリスティの「触ると移る」的なボディランゲージにガッカリ。

しかしクラウディアと姉ジャニーン、祖母ミミを掘り下げるエピソードは本当に素晴らしかった。アジア系の家庭が子に与える重圧、マンザナール(初めて聞く言葉だった)と関係する祖母ミミの過去、単なる好奇心の発露だったクラウディアのアートが「文脈」を獲得する瞬間、全てが有機的に絡んでいた。後のエピソードでクラウディアが「お任せ」とだけ日本語で発話するところも細かい。三人を演じる役者もみんな素晴らしかったな。

またドキュメンタリーの『クラウディア・キシ倶楽部』も見た。

クラウディア・キシというキャラクターとその存在自体にエンパワメントされた人たちへのインタビューを中心に、(おそらく)原作の章立てを模したような区切り方と、手作りアートっぽいデザインで構成されている。お菓子から着想を得るところとかファッションスタイルとかかなり忠実に再現されていたんだなと知る。しかしアジア系がどのように差別されているかを描いた80〜90年代の原作に対してただそれを再現するのではなく、歴史的な悲劇を明示しつつ現代はどうあるべきなのかを作品全体のトーンをもって示していたドラマ版はチューニング具合が素晴らしいと改めて思った。

もちろん現在もアジア系差別は酷い状態だけどドラマの中でクラウディアがアジア系だからという理由で差別される場面は見終わった後すぐでも思い出せないレベルで少なかった(あるいはなかった)ように思う。悲惨な現状を突きつける作品も、そして未来はこうあるべきだというビジョンを提示する作品も、どちらも同様に必要だと感じる今日この頃。

リンダ・リンダズの曲はこのドキュメンタリーのために作られたんじゃなくて元々あったっぽいな。

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