エリザベート 1878

色々あって100%の状態で見られなかったのが悔やまれるけど主題はもちろん、撮影も陰影をかなり攻めてて良かった。アイコニックなシーンもたくさん。史実と異なるラストは悲喜交々……。
ヴィッキー・クリープスは当たり前のように良いし動画を撮影できる人(『キャメラを止めるな』に出てたフィネガン・オールドフィールド)も短いながら抑えめの演技が光ってた。

ただ予告を見た時に感じた爆発力には少し及ばなかった気がする。予告では夫の机ドン!からのシシィの机ドン!の瞬発力の見せ方に「おっ!」ってなったしドバァと黒い液体を飲むシーンにもその画力に心惹かれた。しかし本編では前者は結構間があったし後者はシシィ本人の望みではなく浮気相手からのじゃれあいに過ぎなかった(シシィの主体性が弱かった?)ので、自分が「このシーンはこういう形で使われるんだろうな」と思った使われ方とは若干違った。(まあ勝手に期待して違ってただけの話なので作品に非はありません)

フォロー

過去の作品でシシィがどのように描かれてきたのかを多分に前提とする作品なのでそこの知識ももっとあれば良かったなと思う。『スペンサー』を想起した人もいたみたいだけど自分が想起したのはどっちかというとフローレンス・ピューの『レディ・マクベス』で、あっちはちょっとやり過ぎ(子どもにまで手をかけるので……)だけどこっちはちょっと大人しすぎる気もした。別に絶叫して暴力を振るえというわけではなく、そういう形ではないエクストリームな何かが見られたら良かったなっていう感じ。やっぱ予告が上手すぎるんじゃないだろうか。

めちゃくちゃ細かいことで言うとリュミエール兄弟以前に撮られた映像をなんでシネスコいっぱいに見せてしまうんだろう……とは思った。テレビで見るときを考えたらわからなくもないんだけど。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。