#ニナメンケス #クイーンオブダイヤモンド #国立映画アーカイブ 戸惑い続ける76分間。見終わった後は自分がこの映画を理解できているか、そもそも理解しようとしてよかったのかなど様々な勘繰りがグルグルと頭を巡り海外の批評をいくつか読んだ。おそらく自分の感じた「永遠のような、しかしチープな虚無」「抗えない大きな力は目に見えない」といった感触はあながち間違ってなかったかなと思う。
時系列もよくわからなかった。限界まで説明が削ぎ落とされているため葬式が行われたと思っていた老人がまだ生きていて、失踪したはずの夫からの求婚が行われていて、混乱した。謎の手首の傷、泥だらけの何かの生き物の死体、3頭のゾウ(たまたま去年上野動物園であの頭を振る仕草は見ていたのでそこまでは面食らわなかった)など多くの明かされない謎。いやまあ、手首の傷はあの友人も何らかの暴力を受けていたか、その暴力によるストレスが自傷に向いたのかなとか想像はできるし、あの死体も一瞬出てきたネコなんじゃないかなとかは考えられるんだけど。
とか考えているうちにニナ・メンケスがSight and Soundの10選にNOPEを入れていたことを思い出した。こういうのに最新作が入るの珍しいなと思ってたんだけどクイーン・オブ・ダイヤモンドを見た後だとかなり納得できる。こちらが映画を見ているというより映画がこちらを見ているような体験だったから。見る/見られるの求道者なのかな。いやー、恐ろしい……。