#キェシロフスキ のデカローグBOXに入ってる初期6作品+弟子のドキュメンタリー完走。
海外に打って出ていくのではなくその土地に根ざした、自分の好きな人たちを映像に収めることこそ素晴らしいことであると考えたキェシロフスキ。ドキュメンタリーから出発して短編、長編と常に労働者の視点を忘れなかったのが好ましかった。
特に面白かったのは『平穏』で、出所した男が肉体労働に従事→職場の親分子分関係の板挟み→一目惚れした女性に求婚し彼女は身籠もって仕事ばかりの男を糾弾、と要素だけ抜き出すとめちゃくちゃヤクザ映画っぽいんだけど闇夜をかける馬のイメージや走る電車をバックにタバコに火をつけるシーンなど美的センスの光るショットでもってアート作品にもなっている。無惨で救いのないラストはまさにその二つの要素のクロスする点で必見。