このインタビュー記事を読んだ後、泣いた。
「00年冬に初めてガザ地区へ行ったとき、『人間であることの恥』という言葉が浮かびました」。パレスチナに深く関わり始めたきっかけを、丁寧な口調で語り出す。イスラエル人入植地へ投石して射殺された、15歳の少年の遺族に出会ったという。「少年が死んだ地点から入植地は、石が到底届かない距離。仮に届いても、それだけで殺されていいわけがないですよね……」
最後に、現地が落ち着いたら行きたいのは? 「ジャバリア、マガジ……」。難民キャンプの名を連ね、ふいに涙声。「本当は……」。沈黙。「本当は、ののしり倒したいんだよ」。研究者と記者の距離を意識し、かたくなに使っていた丁寧語が、消えた。」
「汚い言葉、使ってもいい?」。もちろん。「ふざけんな! イスラエルは恥を知れ!って、やっぱり思ってしまう……。連絡の取れない人がいる。出会ってきた子どもたちが家も何も失い、死んでいるかもしれない。本当はね、怒りを表に出さないのが苦しい。でも、法学者として語り続けないと。本当に、ほんとに耐えがたいのに……」
パレスチナ支援20年、憲法学者・清末愛砂さん
https://mainichi.jp/articles/20240131/dde/012/030/009000c