日本の教育制度の大きな失陥は、美術史などを含めての教養としての歴史教育、そして社会科学としての歴史教育の欠如ではなかろうか。駆け足で西洋化し、産業化した日本で、すぐに「御利益がある」スキルを強調した結果、高学歴エリートであるべき層自体も存在しない幼稚な社会になってしまったのではないか。例外的だと思うのが東大の駒場キャンパス。今もそうであるかは知らないけれど、オックスブリッジのようなTutor制度に近い教授法でみっちりと知的な教養のあるエリート育成をしていたと思う。少なくとも高校レベルでイタリアなどの高校プログラムを教えていれば、もっと大人な高学歴層が誕生しただろうに。