「ユリイカ」J・G・バラード特集の浅田彰×日野啓三対談を何度目かの再読。これまで自分が読んだ範囲では、バラードについて書かれた文章で別格に面白いと思う。対談という形式そのものがある意味ではフラグメントを許容する容器だし、ひょっとしたらこの時期の浅田彰にとてもよく適合するものだったのかもしれない。それは、「浅田彰はある時期からまとまった文章を書けなくなった」というようなゴシップ的な事柄とまったく関係なく、構成としてのディスコ―スを要請する論考と異なり話題があちらこちらに飛んでもかまわない対談というフォーマットがこの面白さをもたらしているのではないか。
この対談を読んで伊藤計劃のこととか、あまりにいろいろまた考え始めてしまったのだが、インターネットに吐露するのはなんとか抑制。とにかくバラードというのは凄すぎて、自分の冷静さをいきなり失わせてしまうものらしい。増田まもるさんや渡邊利道さんに直接ぶつけさせてもらいたくなってくる。