「そう、わたしはかの地に出かけ、わたしが十三年いた土地に滞在した。かの地で、わたしは、あの頃とおなじ自分だった、というのも、方向感覚がおなじだったのだ。川、街道から乗り入れる道、森は左、まっすぐ、右手。すべては変わっていたのに、方向は残っていた。経過したのは数十年ではなく、数百年のようだった。そしてわたしは、あの松がおなじものか、それとも新しい世代の松が成長したのか、たいして気にかけもしなかった。」――チェスワフ・ミウォシュ「かの地」
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