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極近視眼的なことその2、柘榴について。そのパキスタンの作品にも柘榴が出てきた。佐々木あや乃氏の文章によると、ペルシア文学にも頻出するらしい。

「柘榴はペルシア語では「アナール」と呼ばれ、省略形の「ナール」は「火」という意味も含む。目にも鮮やかな真紅の柘榴は真っ赤に燃え盛る火とも通ずるところがあるためであろうか。ペルシア文学では宝石箱やルビーは言わずもがな、麗人の唇や胸、血の涙(号泣して涙を流し尽くしたさまをこう表現する)、人が微笑むさままでも柘榴に喩える。」(佐々木あや乃「色彩豊かな宝石箱でおもてなし」沼野恭子編『世界を食べよう! 東京外国語大学の世界料理』東京外国語大学出版会)

あるウェブサイトには、地中海西岸から中東のイラン、南アジアにかけての広い地域に柘榴は植生すると書いてある。一般に異文化理解を考えるとき、アナロジーや相同性でなにかを視ようとする(見出し過ぎる)のには慎重になるほうがいいのだけど、この作品を読んだことでモチーフとしての柘榴にさらに興味がわいてきた。

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