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海老島均一・山下理恵子編『アイルランドを知るための70章 【第3版】』(明石書店、2019)。アイルランド語で創作するヌーラ・ニゴーノルは『ファラオの娘』しか読んでいなかったのだけど、アイルランド詩の状況を概説する池田寛子「もう一つの世界へのまなざし」を読んで、もう少しこの女性詩人について深く知りたいと思うようになった。アイルランド語を理解する国民が数少ないなか、キアラン・カーソンら英語詩人がニゴーノルを「直訳を離れた個性的な訳」で訳し評判を呼んだという記述があるのは興味深い(『ファラオの娘』の場合は、大野光子の訳を高橋睦郎と佐々木幹郎がブラッシュアップしたとあとがきにあるのを想起しても、なおさら)。ポーランドとアイルランドでは国民のあいだで詩が大きな位置を占めている、とはまたべつの野心あふれるわが国の詩人・四元康祐の見立てだが、2018年にニゴーノルはポーランドの国際文学賞を受賞したとも池田寛子の文章にはある。

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