フォロー

II
私が地球ではなく この地球の最近の地図で
生垣に縁どられているならともかく そうでなければもう結構
また競走するのは。学年ごとに子どもたちが 
生垣に隠れた校舎で 暗記に励んでいる
アルファベットや語尾変化を 声が遠のいていく
ひとりひとりの名前が読み上げられていくにつれ。

あんなものは地球の影にして ウィンクで雲隠れさせてやる
私の脳内の路には もう隙間がないから
ナメクジと葉っぱの会話を全部聞いておきたいから
でも私がスローエアを追いかければ 音色はどこまでも広がって
大海原を横切って懸命に進む幾艘ものボートについて行く
あらゆるドアをノックして 押し入る
フランスの道をくねくねと進んで
知らない人の奉公に向かう娘たちのそばを通って
外国の戦地にいる息子たちのそばを通って 
断頭台で祈るルイ一六世の手を握るあの人のそばも通って
そうするうちに 地球が遠ざかっていく。(つづく)

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。