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とある批評家はチュツオーラのある長編に対し、「破格の英語というが、この訳文ではとりたてて伝わってこない」という趣旨のことを雑誌でコメントしていた。自分が気になって仕方ないのは、かつて「リテレール」で天沢退二郎が述べていたこと。天沢や金井美恵子らによる60年代の伝説的な詩誌「凶区」で、文化人類学者の西江雅之が原文の破格の調子を伝える翻訳で「やし酒飲んべ」を訳出していたというのだ。「悪訳版」が出版されることで作家の像が根本から変わってしまう体験をひとり勝手に待望している次第である。

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