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ギロピ さんがブースト
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:ablobcatpnd_favtoy_kenka:

このカスタム絵文字いいねぇ

ギロピ さんがブースト

2024.12.16
#白と黒

こころも ひえる かぜ。
はやくかえって
あったまろう。

ギロピ さんがブースト
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3m個体の話 #もちもちドラゴン  

「おい!なにか出土したぞ!」
いつもの仕事場。
戦後一発、普及し始めたテレビジョンの電波放送。
このまま色んな局で放送が増えれば東京中が電波塔だらけになってしまう。なら1本ドデカい電波塔を建てて、そこから東京中に電波を飛ばしてやろう!というお偉方の思いつき。
フランスのナントカという塔の高さを超える塔をドドンと建てようという壮大な意思の渦巻く現場。
ある日そこで掘り起こされたのは、白くて柔らかな爬虫類のようなやつだった。

そいつは土に埋もれて長いこと眠っていたらしい。掘り起こされると目を覚まし、長い首をゆっくりと擡げた。息子がよく読んでいる図鑑に載っている、はるか昔に生きていたらしい首長竜ってやつによく似た風貌のそいつ。
目を覚ますなり「どんぱちうるさいの、おわりましたか」と人の言葉を話し、現場に集まっていた全員の度肝を抜いたのだった。

白いトカゲのようなやつは戦争の騒ぎがうるさくて、自分に土をかけ、地中で深く眠っていたらしい。
掘り起こされる前や寝ていた時の記憶は朧気で、あまり覚えていないと話した。
だがまあ話しかけてみればなかなか面白く話ができるやつで、昼の休憩などにはやつの周りは鳶の兄ちゃんたちで賑やかだった。
いつしか彼は「柔らか竜さん」と呼ばれるようになっていた。

「でっかいたわー、たのしみです」
「おうよ、東京のどっからでも見えるようなタワーになるぜ」
「300メートルっつーと、柔らか竜さんの何倍になるよ?」
「とほうもねぇですな」
のほほんとした、なんとなく安心するような言葉に、高所作業をしていた連中も少し解されていたように見えた。

建設は進んだ。
何百人という人間が動き回る現場で進む作業。
俺が非番の日、高所で作業していた1人の職人が転落死したと聞いた。
その一報があった日ばかりは、いつも眩しそうに目を細めて現場を眺めている柔らか竜さんも、少し沈痛な面持ちだった。

「そんなでっかいもん、作れねぇよ」と弱音を吐く者もいた。その度にお偉いさんが言っていた言葉を思い出す。
「日本人は1300年も前に57メートルの五重塔を作っている。科学の技術も平安の時代よりずっと発展しただろ?今なら必ずできるさ。我々がこれを作ったことまで含めて、この塔は東京……いや、日本の象徴になる」
柔らか竜さんもその言葉に力強く頷く。
「できますよ、ぜったいに」
何故か説得力のある物言いに、彼らも困ったように笑って気合いを入れ直すのだ。

柔らか竜さんは、タワーが完成に近づくにつれて赤くなっていった。
「どうしたんだ柔らか竜さん」
「熱いのか?」
俺たちがそう聞くと、柔らか竜さんは首を振った。
「このたわー、すてきだとおもったので。あかくて、おおきくて」
「おう、すげぇだろ?」
「目印にもなるだろうな。いつか恋人たちの逢瀬の待ち合わせに使われたりしてさ」
「すてきだから、まねをしようとおもいました」
柔らか竜さんはそう言って塔を見上げた。
完成間近だった。

1年と少しして、タワーは完成した。
東京タワーと名付けられた。
正しく東京を象徴するような333メートルの真紅のタワー。
博物館、展望台。たくさんの人が集まるようになった。

柔らか竜さんはタワーが完成しても、どこかに行こうとはしなかった。
地方から来ていた連中は「うちに来ねぇか」と柔らか竜さんを誘った。
この頃、全世界で柔らか竜さんのような生き物が散見されるようになっていたらしい。世話の仕方や管理の方法も確立されつつあった。柔らか竜さんに癒されていた者ばかり、手離したくないという思いもあったのだろう。
だが柔らか竜さんは首を振った。
「おきになさらず。またあいにきてください。たわーみたいにあかくなったから、めじるしにもなりますよ」


「お前、まだここにいたのか」
「そのこえは」
俺を見やるは、赤く、大きくなった柔らか竜さん。いつの間にか俺の背丈の倍ほどの大きさになっていたが、未だタワーの麓にいた。人生の終わり際、なんとなくタワーを見たくなったのだ。
「俺は老い先短いジジイになっちまった」
お前は大きさ以外は変わらねぇな、そう言って柔らか竜さんの腹をぷよんと撫でる。
「いやん」
首をにゅっと下ろしてきて、俺と目線を合わせる彼。
「あとなんぜんねんか、いますよ」
「長ぇなあ、お前の命は」
俺の言葉を聞いて、柔らか竜さんは少し考える素振りを見せて、こう言った。
「ひとのいのちがおわるのは、なんどもみてきました。けんせつちゅうも、みました。ちょっとさみしい」
でも、と彼は微笑むような表情をする。
「おわりじゃないです。またあえます。また、みんなでおおきくてすてきなものをつくるところ、みせてください。かわのあっちがわとかなら」
おおきくなったので、みえますから。

「それから、そのときはまた、あいにきてください。たわーみたいにあかく、おおきくなったから、めじるしになります」

ギロピ さんがブースト

このお話とても大好きで大好きで…
描かせていただきました
[参照]

さ゛き​:verifiedsabakan:  

3m個体の話 #もちもちドラゴン  

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久しぶりに情緒がアカン感じになってる…早く寝た方が良いんだろうけど早く寝たくない

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海底宝探し:blobcatblack:​​:blobcatblack:​​:blobcatblack: with​:ab1nzybloob2: でした。多分。
たくさんのリアクション
:deep_arigatou_hukakukansya:
#今年も残りわずかなので今年一番伸びた絵を貼る

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大シルクロード展に行ってきた!激アツ 今年の美術館納めにふさわしい充実した展示だった ありがたい

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